投稿者: Jun Mukai

バンオウ

そういえば、最近『バンオウ』という漫画が結構好き。将棋ものだけど、主人公は吸血鬼というとっぴな設定で、主人公は将棋の才能はそれほどでもないがとにかく好きなので数百年の経験がある凡才で、この主人公がとあるきっかけでプロたちと竜王戦に挑むというあらすじ。

飛び道具みたいな設定であるが、「悠久の時を生きられる凡才」という主人公の設定が物語にうまく組み込まれていて楽しい。途中で出てくるバンパイアハンターはちょっとまだ存在意義がよくわからないけど、楽しんで読んでいる。もうすぐ4巻が出るのも楽しみです。

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clear aligner終わった

Clear alignerが終わる
終わるとどうなる?
知らんのか
retainerが始まる

1年ほど前にclear alignerという透明なプラスチックのマウスピースで歯列矯正をする処置を始めたというのを書いたのだが、無事終わった。

特に処置が早まるということもなく、進みが遅いということもなく、粛々と予定通りに終わった。

処置が始まってからもしばらく知らなかった(気にしていなかった?)のだが、alignerの処置は終わった後もretainerというものを口にはめて矯正後の歯を固定させるもののようだ。終わったかと思ったらretainerを渡された。

事前に友達から聞いていた話では、retainerというのは概ね夜寝てる時だけつけるものだということだったが、自分に知らされた指示は少し違っていた(この辺はalignerのメーカーや歯医者のポリシーなどによるんじゃないかなと思うが):

  • retainerは4組もらった。1年たつと新しいのに替える。つまり4年はretainer生活が続く
  • 最初の1年のretainerは1日あたり10-16時間はつけるほうが良いとされている
    • さらに半年ぐらいはより長く、できたら1日あたり20時間以上つけたほうが良いと言われた。そのほうがよりよく固定されるらしい

というわけでもう半年ほどは、これまでとさほど変わらない生活が続くようです。

追記:

そういえば、これまでのaligner全26組があって、なんとなく全部捨てずにとっていた。しかし冷静に考えてみれば、というか考えるまでもなく邪魔なだけの代物だし、場合によってはちょっと汚かったりもするだろうし、ということで捨てることに。しかしいきなり全部捨てるのも忍びないのでいちおう全部写真に収めてから捨てた。まあ写真に撮っても今後見返す可能性は限りなくゼロというか、まあゼロではないか、という気がするけど。

そして、改めて最初のやつと最後のやつを見比べると歯並びが全然違う。矯正意味あるんだなあ、当たり前だけど。さいきん人に会うと「痩せた?」とか訊かれることが増えてきたのだけど、これも歯並びが良くなって顔の下半分の形状が少し変わったからなんじゃないか、と妻には言われている。そうなのかな、それだけじゃない気もするけどな、とか思うけど、でもまあそうなのかもしれない。

TIL: lightning vs lightening

ライトニングケーブルの話題のたびに「あれっ」と思って調べて、なるほどーと思ってまた忘れる、というのを何度か繰り返している気がするので、何度めかのTILだと思うが、lightningとlighteningは違う単語なのであった。lightningは雷、稲妻のこと。lighteningは「明るくする」ということ。前者はふつうの名詞。後者は動詞の現在進行形。

なんとなくlight + en で lighten から派生したように思って、ついlighteningが雷の意味の語の正しい綴りである、みたいに思いがちなんだよね。lightningは簡略的な綴り、みたいな。でもそうではない。

明るくするほうの lighten は14世紀初頭から使われはじめた用法で、light-enという現代英語と同じルールの単語。いっぽうlightningのほうは語源は古英語のlightnen(「明るくする」)かlihting(光)からきているらしい。

っていうことは、語源(の説のひとつ)のlightnenとlightenは同義っぽい気がする。が、単語として確立したのが古英語の時代からなので綴りとしてはこうなってる、ということなのかね。ちなみにGoogleの検索結果で教えてくれる語源では、中英語期の綴りはlighteningだったということが書いてあってよくわからないといえばよくわからない。

というわけで学びがありました。でもまたすぐ忘れると思います。そしてライトニングケーブルの話題を見ることはもうないので学ぶことはないかもしれない。

https://www.grammarly.com/blog/lightening-vs-lightning/

https://www.etymonline.com/word/lighten#etymonline_v_30828

https://www.etymonline.com/word/lightning#etymonline_v_9506

JSONとBigInt

ちょっと前にblueskyで見かけた話題。もとは「GraphQLのスキーマではintが32ビットしかなくて、64ビット整数とかないのがイケてない」といった話だったかなと思う。直感的にはこれは「Javascriptではすべてが倍精度浮動小数点数だから64bit intがないから」ということになるが、よくよく調べてみるといろいろややこしい歴史的事情があるようだ。

たしかにJSにはもともとひとつのNumber型しかなく、いわゆるdouble型(倍精度浮動小数点)だけで数値を表現してきた。IEEE754の倍精度浮動小数点数は仮数部が52ビットあるので、実際には32ビット整数ていどであれば全て誤差なく表現できる。なので32ビット整数または倍精度浮動小数点数がどちらも使えるというふうに理解されてきた。

そうはいっても不便なので、現代のJSにはBigIntがある。ES2020で導入されたらしい。ただし普通の数値リテラルはすべてNumberであり、BigIntにするためにはnを後置する必要がある(0nみたいに。または明示的にコンストラクタを呼ぶ)。BigIntとNumberはimplicitには変換されず、明示的に変換する必要があり、取り扱いはちょっと面倒ではある……が、存在するのは有り難い。ともあれ、BigIntはあるので「すべてがdoubleなので64ビット整数は扱えない」というのは現代では厳密にいうと正しくない。

一方、ウェブのAPIというものはだいたいJSONをフォーマットとして利用している。元々の話題であるGraphQLでもそうで、レスポンスはたいていJSONだろう。そしてJSON自体はBigIntなどが導入されるよりはるか昔に制定された規格なので、BigIntであったり整数に後置する記号(nとか)のことなんか考えられていない。このためにBigIntを利用できない。というわけでJSONは仕様上ではdoubleしかない、というふうに理解・整理できそうではある。

……かと思いきや、実はJSONの仕様上では数値の桁数などに制限はない。あくまでも表記的なフォーマットの話だから、数値データでは数字をいくらでも連ねてもよい。つまりフォーマットとしては決してdoubleに縛られているわけではない。

がしかし、その数値データをどのようにデコードするかというロジックはデコーダ側の実装にゆだねられている。JavascriptではJSON.parseによってデコードするのが普通だが、ECMAscriptの仕様で定義されるJSON.parseの挙動によればJSONの数値はすべてNumberになることを定めているので、どれだけ大きな桁数の数値であってもけっきょくはdoubleの精度までしか扱えないし、BigIntにはできない、ということになる。

つまるところ、「JSONは昔のJSの仕様がもとになっているのでBigIntのことなんて知らんし」「JSにおけるJSONの扱いにおいてはBigIntのことはなかったことになっている」ということになっている。お互いがそれぞれ新しい状況に対応できていない感じ。

どうにかならないもんだろうか。ちょっと考えてみる。

案1:ECMAscriptのJSON.parseの仕様を改めdoubleで表現しうる以上の整数はBigIntにデコードするように変更する。ただこれをしてしまうと、値の大きさによってBigIntかNumberか型が変わってしまうので、デコード結果を扱うのが面倒になる。先述したようにJSではBigIntとNumberはimplicitには変換しない方針なのも大きい。小さな値のBigIntを含むオブジェクトをJSON.stringifyしたものをJSON.parseすると違うデータになる(Numberになっちゃうから)という問題もある。

案2:JSONの仕様を変更してnのような後置を認める。これはJSの利用者からすると有り難いが、世界中に無数にあるいろんなプログラミング言語のJSONライブラリとの互換性が崩れるという難しい問題がある。互換性の問題が発生してしまう。新しい仕様への対応を済ませてサーバ側が新しいフォーマットを返すようにしたら古いクライアントで動作しなくなるといったことも起こる。

というわけでなかなか簡単な解決策はないのであった。sigh。

JSON5みたいな類似フォーマットで対応できてないのかな、と思ってみたが、JSON5も不可であった。BigInt登場以前からあるからかな。

YAMLの場合にはBigIntに対応できている。そしてYAMLはJSONの厳密な拡張である(つまり、正当なJSONは正当なYAMLである)。なのでJSON.parseのかわりにYAML.parseすることでBigIntにできる可能性はある。npmのyamlパッケージだと intAsBigInt というオプションがあって、これで全部BigIntにできるようだ。ただし、あまりにもトリッキーなので実用することはなさそうな気がする。

もちろん全く他のシリアライゼーションフォーマットを採用するという手もある。たとえばBSONにも64bit整数はあるし、messagepackにもある。毛色は違うがprotocol buffersにもある。ちなみに、protobufにはJSONデコーダ/エンコーダもあるが、protobuf/jsonは64ビット整数を文字列にエンコードしている。スキーマがあるので、どの文字列を64ビット整数としてデコードしてほしいかがわかっているので、こういうことができる。ただ、調べたかぎりでは任意長のいわゆるBigIntをサポートするフォーマットはなさそうだ。言語によってはBigIntが外部ライブラリになってしまったりするからね、C++とか……。

けっきょくいちばん現実的なのは「64ビット整数やBigIntはネイティブにはサポートせず文字列にする。適宜文字列からBigIntなどに変換するロジックを持つ」という一種のstatus quoなのだな。変換は場合によってはわりと面倒なのでフレームワークが適切に対応してくれないと厳しいが、そのためには「どの文字列はBigIntであるべきか」という情報、つまりスキーマ定義が必要になってしまうので自動化しづらい。TypeScriptの型情報とかをうまく使ったりできたら面白いんですけどね。できるのか知らないけど。

それでいうと、元の話題にもどるとGraphQLではスキーマがあるのだからint64を持っていてBigIntで取り扱うということはできそうではある。ただそうするとエンコーダ・デコーダに専用のライブラリが必要になってしまうのが痛いという判断なのかもしれない。


ところで、JavascriptのJSON.stringifyはBigIntをエンコードできない、というのはこの記事を書くために手元で試すまで知らなかった。BigInt……めんどうくさい……。

アイスランド旅行: パフィン、ブルーラグーン、そのほか

アイスランドを象徴するような動物はいくつかありそうだが、その筆頭になるものがあるとすればパフィンだと思う。

ペンギンを思わせる黒と白のカラーリングに派手な嘴の小さな海鳥だ。産卵のためアイスランドに夏にやってくる(らしい)。パフィンはアイスランドのいたるところでキャラ化しており、土産の意匠としても一番メインというかんじ(もうひとつの主役はヴァイキングたち)。ぬいぐるみ、フィギュア、キーホルダー、ステッカー、衣類、ほんとになんでもある。わたしはTシャツと靴下を買った。

さてそんなパフィンだがもちろん観察ツアーもある。パフィンがいるのは夏だけで、ツアーはだいたい8月下旬には終わるようだった。わたしが行った時期はほぼ終わりかけだったけどなんとか期間内ということでツアーに参加できた。

なお、アイスランド最大のパフィンコロニーは島の南のほうだそうで、そちらにいくともっとたくさん見られるようだったが、そちらに行くのはすこし面倒そうだったので、レイキャビクから行けるツアーを選んだ。市内の港から船で出て15分ほどで行けるコロニーを見るというような1時間ほどのツアーだ。

終わりかけの時期だし、首都から近い場所だし、どうかなーと思ったけど、パフィンはあっさり見られた。けっこう小さな鳥だし船ではそこまで近寄れないし、さすがに最盛期よりは少ないだろうし、持ってるのは携帯電話だけだし子供は抱っこせにゃならんし、というわけですごくいい写真は撮れなかったのだけど、たくさん見られて良かった。ツアーは2箇所ぐらい巡ったが、どちらにもたくさんいた。

パフィンツアーはとても楽しかった。もっとたくさんいる時期には街にも迷い込んだ小鳥がいたりするらしい。最大のコロニーのある場所だとさらにもっといっぱいいるとか。またアイスランドではパフィンを食べるという話もあるようだが、パフィン料理は都合がつかず食べられなかった。


話はかわってブルーラグーン

ブルーラグーンはアイスランドでもかなり大きな観光施設である。そこそこ大きな湖というか池みたいなものが丸ごと温泉になっているという話。実際にはここにジオサーマル発電施設があり、その関係で副産物的に出来た温泉であるらしい。

こちらもなかなか楽しいのだけど、アイスランド旅行としては異質という気がした。非常に完成度の高い観光施設というか温泉施設というか、そういうものになっており、火山が噴火したので溶岩見学ツアーするぜ!みたいなのとは対局にある感じがするため。でもいい場所ではあった。空港にほど近く、レイキャビクからはけっこう離れている。わたしは到着したその日にそのまま行った。入場するなら予約はしておいたほうがいい。レイキャビクからはツアーバスがあるのでそれを利用するという手もある。


というわけで、アイスランド旅行で書こうかなと思ってたことはこれぐらいかなと思う。パフィンはかわいかったし自然はすごかった。レイキャビク市内も楽しい。あーあとそういえば緯度が高いのでまったく陽が沈まなかった。夏至あたりでは白夜になることもあるようだ。わたしが行ったときはだいたい夜10時ぐらいが日没とのことで、夜11時になれば真っ暗なのだが、夜9時ぐらいに散歩したときにはこれぐらいの明るさ。

逆に冬となればまったく陽が登らない極夜にもなるらしい。冬も冬でオーロラツアーとかあるみたいだけど、ハイシーズンはやっぱり夏かなぁという気がする。こういう緯度が高い場所は気候が極端になりがち。

そういえばアイスランドは経度としてはレイキャビクあたりで西経20度ほどにもなるようだが、イギリスと同じタイムゾーンを採用しているらしい。しかもサマータイムがないので、時刻は常にUTC。なんか知らんけど便利そうだ。でもまぁこのズレは日没時間とかに微妙なズレを与えているはず。

というわけでアイスランドでした。サンフランシスコからは直行便がないのでそうそう気軽に行けるような場所ではないけど、また行きたいなあ。とくに子がもう少し大きくなって移動の自由度が増したらまた行きたいね。

アイスランド旅行: 火山・滝・間欠泉

さて、前回も書いたけどアイスランド観光のメインは自然である。アイスランドは火山島で、けっこうたくさん火山があり、氷河もあったり、自然の景観の見どころはおおい。おおいというかメインの観光スポットは断然そっち。たいていの観光地はツアーが組まれているようなのでそれに参加してもいいし、レンタカーを借りて自分で巡ってもいい。それ以外の巡り方もある(後述)。今回はレンタカーを借りていたので、自分で巡ることにした。といってもあくまでも日帰り旅行の範囲内でだけど。

アイスランドのこうした有名な景勝地のうちとくに有名で、しかもレイキャビクから近くて日帰りしやすい場所が複数あり、これらはまとめてゴールデンサークルと呼ばれている。

Þingvellir national park (シングヴェトリル国立公園)

Þingvellirの最初の文字は英語のthの音を意味する文字で、昔の英語にもあったが廃れてしまった字だ(thornという)。アイスランドにはまだ残されており、頻繁に目にする。どういうわけかlの前にはtの音が入ることが多いようでÞingvellirをカタカナ表記すると「シングヴェトリル」といったところになる。比較的広めの国立公園である。いったんインフォメーションセンターみたいなところまで行ったところではてどこに行ったものかわからなくなり、検索して手近な景勝地であるÖxarárfossという滝と、Langistígurという崖のあいまを抜けてその上まで行く道を歩いてみた。ゴツゴツした岩肌でカッコいい。

Brúarfoss (ブルーアルフォス)

川の中央部分が落ち窪んで崖のようになっており、そこに川水が流れこんで一部だけ水色になっている場所。どうしてこんなふうになるのか、ものすごい奇観。水色がとても綺麗。おもしろい。

日本語の紹介ページでは「私有地のため通行止めになり行けなくなった」という情報があるが、行けます。もともとホテルというか別荘地?のような私有地を抜けて到達するルートがメジャーだったが、迷惑だったのかそこは通行止めになってしまっている。が、3kmほど手前から行く別の道があり、新しく独自の(有料の)専用駐車場が用意されるようになって何のおとがめもなく行ける。Google Mapsのナビだと旧来の私有地ルートを案内されて行けないじゃん、となることもあるので注意。看板等で案内されているので、ナビで行き止まっても看板を思い出して案内通りに辿っていけば到着できると思う(というか、私はそのようにして行った)。

Geysir (ゲイシール)

間欠泉。10分ていどに一度吹き上がってエンタメ度が高い。ほかの場所よりあきらかに観光客が多く、みんなで待っていて謎の一体感もある。近隣にはたくさん間欠泉や温泉が湧き出ている。英語の geyser (ガイザー)の語源らしい。

Gullfoss (グトルフォス)

滝。水量がものすごい。二段になっており、下段の落差がすごい。ご覧のとおり行ったときには滝の水滴で虹が出ていた。かなり近くまで行けるが滝の水でびしょぬれになる。写真ではなかなか伝えづらいが迫力がすごかった。下段はかなり高さがあり、水量も多いので、ウィキペディアに書かれているように水力発電所になるという計画も理解できる(が、成立しなかったおかげで観光地として成立している)。

Kerið (ケリズ)

火山跡のカルデラ湖。ゴールデンサークルのなかではÞingvellir、Geysir、Gullfossの3つがメイン観光地とされていてそれ以外は「控え」みたいな扱いなようで、Keriðは少し地味かと思った。しかし、火山の火口が絵に描いたようにくぼんでおり面白い風景なのも確か。ちなみに最後の文字のðもÞと同じく古英語にはあった文字でethといい、やはりthの音を意味する。Þが無音のth (thinなどのth)であるのに対してðは有音のth (thisなどのth)であると説明される(厳密には、古英語ではそこまではっきりとそのように使い分けられていたわけではない、という話も聞いたことがある。が、いずれにせよ現代アイスランド語ではそのように使いわけられている)。

おまけ: Efstidalur II

ゴールデンサークルの経路上にある酪農兼レストラン兼アイスクリーム屋さん。アイスクリームを食べるスペースのすぐ脇に(ガラス越しだが)納屋があり、牛がのんびり草を食べていたりする。よくわからない組み合わせだが面白い。牛はさすがに一般客は近寄れないようになっていました。アイスクリームはミルクの味が濃くて美味しかった。

Urriðafoss

ここからはゴールデンサークル外の場所。別の日に行った。これも滝。落差はそれほどでもないが、川幅が広くて水量が多く、行ってみるとなかなか迫力がある。実はアイスランドで一番水量の多い滝はGullfossではなくこっちらしい。意外だけど水量というのは主に川幅の話だからかな。アイスランドで一番多いだけではなくヨーロッパでも二位だとウィキペディアには書いてあるな(ヨーロッパ一位はライン滝らしい)。なんかそう言われると有難味もあるが、正直そこまでピンと来ないかな……。割と地味な場所にあり、観光客はそれほどいなくて快適だった。

Seljalandsfoss

滝の裏側が大きくえぐれていて裏側を通っていける滝。ここは観光客でにぎわっていて、実際には裏側まで行ける道はけっこうな行列になっている。でも楽しいし風景として面白い。そこまで濡れないと思っていたが、通路の出口付近が支流の小さな滝をそのままくぐる経路に(私が行ったときは)なっていてびしょ濡れになった。子供はちょっと嫌そうだったが親としては楽しい。行く価値あります。

Gljúfrafoss

ひとつ前のSeljalandsfossから歩いてすぐのところにある別の滝。岩に隠れて見えない……かと思いきや、割れ目のような隙間を抜けていくと滝を拝める。けっこう危険なので、ここは子供はやめることにして親が交代で見にいくことにした。ゼルダだと祠があるんだろうなぁというこの景観よ。通り抜ける道は川沿いに転がる石の上を渡っていく感じで、行き来する人も多くてけっこう難儀するが面白い。みんな自撮りしてた。私もした。アップロードはしないけど。

とまぁこんな感じで、首都近くの観光スポットだけだし、その範囲でも別に全然網羅できてないけれど、楽しかったし面白い風景ばかりでアイスランド楽しいなーという気持ちになりました。


そうだ思い出した。先述したように、私は基本的にレンタカーで自分で運転してこういう箇所を巡っていた。そういう人が一番の多数派だったと思うけど、ほかにもいろんな人たちがいた。まずツアーバス。こういう観光地は(とくにメジャーなところでは)駐車場にも観光バス向けのスポットなどがあり、ツアー客が多くいた。なかには非常にゴツいタイヤのツアーバスもあり、どうやら私たちが行ったような場所からさらに先の山に入っていって氷河とかも見たりするようなツアーもあるようだった。

それと別にいろいろ見かけたのは自転車の人たち。かなりいっぱいいた。しかもそこそこの割合でけっこうな荷物を自転車に載せている人を見かけた。どれぐらいのスケジュールなのかは知らないが自転車旅行ということなんだろう。そういう趣味の人にはいいのかもしれない。どういうルートなんでしょうね。島全体を一周するのはすごい大変だろうが、ゴールデンサークルあたりをぐるっと巡るんだろうか。

あと見かけたのがヒッチハイカー。家族旅行だったのでピックアップしたり話したりすることはなかったが、わりとたくさん見かけたが何だか新鮮で見かけるたびに「おおっ」と思ったりした。

アイスランド旅行: レイキャビク市内観光

アイスランドは最近ずいぶん観光をアピールしているみたいだけど、主な観光資源は自然で、火山とかすごい形の岩とか山とか滝とかそんなものが多い。ただ今回は比較的小さな子供を連れているということもあり、あまり無茶な旅行はできない。レイキャビク市内に宿泊し、市内もけっこういろいろ巡ってみた。

ひとつ前の投稿でも書いたけど、アイスランド全体の人口30万人のうち、約20万人がレイキャビク都市圏に住んでいるらしい。といっても人口20万人の街ということで、そこまで巨大な都市という感じでもない。中心となるダウンタウンみたいな場所はそこまで広くなく、そこを中心に住宅地が広がっている感じ。ダウンタウンも、観光客向けのところと現地住人向けのところがけっこう入り混じっている感じでなかなかよかった。

市内の移動は近所なら徒歩、あとはバス。アイスランドには鉄道はない(遊園地とかにはあるかもしれないけど、公共交通機関としては)が、レイキャビク市内にはバスが走っている。バスは専用のモバイルアプリでチケットを購入してアプリ内のQRコードをスキャンするか、現金のみらしい。アプリの評判は非常に悪いが自分はとくにトラブルには見舞われなかった。また、HOPPという乗り捨て型の電動キックボードがかなり流行っていてみんな使っていたが、これも小さな子がいるので未使用。タクシーもけっこうあるかな。車は……まあわりと通ってたりしたが、レイキャビク市内はなかなか歴史を感じさせる建物も多く、少し路地に入るとけっこう道が狭いので、あまり向いていない感じがした。

みどころ。市内の一番のみどころは巨大な教会。ハットルグリムス教会というらしい。かなり大きな建造物で市内からだとわりとどこからでも存在がわかる。正面広場にはレイフ・エリクソンの像があってかっこいい。『ヴィンランド・サガ』のファン的にもなかなかよい。教会は上のほうにも登れるようだった(有料のエレベータがある)が自分は登らなかった。

あとはいくつかモニュメントというか、おもしろいアートがそこそこあったり。

サガ博物館や鯨博物館もあったりした。鯨博物館のほうには入ってみたが、なかなか楽しかった。

食事。アップスケールでモダンなレストランと観光客向けっぽい店と現地民向けの店といろいろあった。アップスケールな店だと Fish Company。トナカイのカルパッチョとかを食べたけど美味しかった。

地元民も観光客にも人気なのがホットドッグ。とくに Bæjarins Beztu Pylsur というチェーンが人気のようだった。ラム肉のソーセージが美味しい。売り場の近くのテーブルにはホットドッグ専用トレイが設置されていた。

ちなみに近隣のカモメが虎視眈々と狙っているようでちょっとおっかない。

宿の近くにフードコートがあって、そこでもいろいろ食べたり、観光地でも食べたり。よくあるのがフィッシュ・アンド・チップスとスープ。アイスランドは漁業が盛んとのことで魚は新鮮で美味しい。フィッシュ・アンド・チップスもカリフォルニアのそのへんのものより美味しかった(日本のレストランのも美味しいかもだけど……)。スープはアイスランドの伝統的な料理?なようで、けっこうあちこちで頼めた。ラム肉とにんじん、ジャガイモ、キャベツなどの野菜を煮込んだ素朴なスープなんだが滋味深く美味しい。ラム肉の匂いはかなり強いので苦手な人はきびしいかもしれないが、自分は大好きな味だった。シンプルな料理なので帰国後に自作もできそうな気がするがどうかなぁ。

現地民向けとおぼしき店ではイタリアンと、なぜかタイ料理屋をいっぱい見かけたが、さすがにそういう店には入らなかったので美味しいかどうかはわからない。

あとコーヒー。コーヒーはわりとどこで頼んでも美味しかった。Reykjavik Roastersというチェーンと、Te&Kaffiというチェーンが多く、特に後者が多い。スターバックスなどの海外チェーンは見かけなかった。

あと子供向けのチョコレート牛乳として、この koko mjolk という製品がほんとうにいたるところで売られており、子供がたくさん飲んでいた。

Google翻訳してみたら「50 ara」は「50周年」の意味らしい。めちゃくちゃ昔から愛されているようだ。

最後に、パン屋で見かけた風景。

アイスランドにいってきた

夏休みということでアイスランドに一週間ほど旅行にいってきた。

そもそも3年半くらい前、アイスランドにいきたいね、という話をしていたことがあった。友達夫婦と私のところとの4人でその機運が高まり、行くことを決めて、いろいろ予定を調べたり行きたいところを考えたりして、いろいろ予定を立てたり、airbnbの部屋を調べたり、航空券を手配したりした。確か、島を一周するような予定だったように思う。ただ3年半前というのは2020年の話。そのあとCOVID-19パンデミックになってしまい、当然ながら海外旅行なんてできなくなってしまった。航空券なども自動的にキャンセルされてしまった。

が、この航空券のキャンセルのとき、焦って操作を間違えた結果として払い戻しではなくてバウチャーの発行を選んでしまったのだった。数千ドルのお金、払いっぱなし。まぁいずれ行けたら行きたいから別にバウチャーでもいいけどさ……と思いながら3年が過ぎた。3年たっていろんなことが起きた。うちの夫婦にも子供が生まれたりした。そんなあるとき「そういえばあのバウチャーってどうなったの」と妻に訊かれて、そういえばどうだったんだと見てみたら有効期限は3年。その会話をした月の月末で失効するところだった。あわててそこからとりあえず日程だけを決めて航空券を手配したのが、この夏のことだったという次第。

子供も小さいし初めてということもあり、3年前の予定とは違って攻めた日程は組まずに首都レイキャビクにairbnbを予約してそこに滞在しつつ、市内を散策したりツアー参加したり日帰りであちこち行ったり、といった感じの旅行になった。

アイスランドにはサンフランシスコ・ベイエリアからは直行便がなく、アメリカ国内の経由地からの旅行ということになる。今回はシアトル経由便で行くことにした。シアトルからアイスランドまでは7時間半くらいでけっこう近い。ニューヨークからだと6時間ほど、サンフランシスコ=ニューヨーク間と同じくらいである。さすがアイスランド、アメリカ大陸に近い。ニューヨーク住んでたらわりと行きやすい国外旅行先かもなあ。

ただ今回はずいぶんタイトなスケジュールでシアトルでの滞在時間が短すぎてしまい、いろいろ負担が大きかった。だいたい2時間くらいの乗り換え時間の設定だったんだけど、とくに帰りの場合には入国手続もあるし、チェックインする荷物はいちどピックアップして再度チェックインしないといけなくて、時間が足りなすぎた。次から国際線の乗り継ぎのときにはもっと時間に余裕を持たせることにしたい。

いろいろ書いていると長くなりそうなので、具体的な旅先の話はまた別の記事で書くことにして、今日は雑多なアイスランドトリビアで締めることにする。そんなことぐらい知ってるでしょ、という人もいるだろうけど自分はあんまり意識してなくて知らないことばかりでしたので。

  • アイスランドは北欧の国だがEUには未加盟。2010年代に加盟の機運が高まったけど、けっきょく取り下げてしまったらしい。ただもちろんシェンゲン協定には入っているのでEUからの入国は容易。通貨はアイスランドクローネ。1ISKはだいたい1円くらい。
    • 昔は1USD=60ISKぐらいだったのが、2008年に大暴落してこれぐらいまで価値が下がったらしい。
  • 現地の言語はアイスランド語だが、小学生ぐらいの子供も含めてほとんどの人は英語がかなりしゃべれる。旅行ていどなら英語だけで大丈夫。
    • アイスランド語は北欧系の言語だが、かなり孤立していてノルウェー語やデンマーク語とはかなり意思疎通が難しいらしい。いちばん近いのはフェロー語だそうだ。わたしみたいな人間には何もわからない。
  • アイスランドの島の大きさは北海道と九州を足したぐらいの大きさらしい。人口約30万人。そのうち2/3にある20万人ほどが首都レイキャビク都市圏に住んでいるとのこと。
    • 小さい島である、という表現がなされているし決して大きな島ではないが、北海道より大きいというのはかなりの大きさだと思う。なお北海道の人口は500万人ほどなので、北海道と比べても遥かに人口密度は低い。都市部以外にはほんとうに何もないことがよくある。
    • ウィキペディアによると、島はもっと森林が生い茂っていたのに入植者たちがバンバン切り倒し、羊が草をたべまくり、ほとんど森のない荒涼とした土地になった、などと書いてあるが、これも北海道よりも広い島だと思うとマジか人間やばいな……という気もする。
    • しかし、火山周辺などはさておき牧草地はけっこうあり、荒涼としているのは場所にもよるのでは、という気もする。森っぽい風景は確かにぜんぜんない。
  • 火山島なので火山や関連した風景がけっこう多い。実はわたしが行ったのの1ヶ月ほど前、7月にも小規模な噴火があったらしい(我々が行ったころには沈静化して収束宣言がなされていた)。
  • クレジットカードの支払いはかなりどこでもできる。現金はまったく使わなかった。コンタクトレスペイメントも発達していてめちゃくちゃ便利。ただAMEXが使えないことが非常に多かった。
  • アルコール販売はけっこう制限されており、アルコール度数が2.25%を越えるものは政府が運営するリカーショップでないと買えない。しかもそのショップは午後6時には閉まる。酒税が高いので買えても値段はかなりする(らしい、けっきょく行けなかったのでわからない)。なのでホテルなどの部屋でお酒を飲むのはちょっと大変。慣れた観光客は空港の免税店でお酒を買って持っていったりするらしい。もちろんレストランやバーなどでは普通に酒は飲めますが。

まぁひとまずこんなところで。

強殖装甲ガイバー

1冊33円セールで電子版が売られていたので全巻買いました。名前は知ってたんですが世代的には微妙にズレてて読んだことがなかったので、今回はじめて読みました。まだ完結してないのね。

1986年に連載開始ということで古いは古いんだけど、一周まわって、いやもう世の中は三周ぐらいまわっているので今から読むとかえって新鮮、みたいな感じで楽しんで読める。

たとえば次のカット。「冥土の土産に教えてやろう」って、その後はもうネタとして消費されつくしてしまいギャグ以外で使うことはなくなったし、ギャグとしても陳腐化した結果として、もはや誰も使わなくなってしまったのではないか。

そういえば「冥土の土産に教えてやろう」っていう発言、よく見るとかベタだとか言われるけれど、そもそも初出はいつどこなのか全く知らないな……ぜんぜん考えたことなかった。

全力攻撃をあびせて「や……やったか?」の台詞。「やったか?」系の台詞はガイバーでは何回か登場していましたが、どれもやってません。

敵として登場したけど主人公を自分の手で倒すことに執着した結果、強力な新敵キャラでピンチになった主人公を「こいつは俺の獲物だ」と助けちゃうやつ。

というようなベタな台詞が頻発します。一種の様式美みたいな展開はほかにもたくさんある。

今こういうものを使ってしまうとギャグになってしまうので、真面目な展開の一部に取り入れるのはなかなか難しいし勇気がいるだろうなと思う。ガイバーのころでもさすがに超ベタな展開だとはみなされていただろうとは思うけれど、まだ通用する時代だったのだな。それでも「あえて」の直球さではあるだろう。このてらいのなさには嬉しさすら感じる。

もちろんそういうところだけではなく、ストーリーとしても背景設定としても大風呂敷をひろげていて楽しめる。そういえば1巻は異常に展開が速くてビビったのだけど、もともと短期集中連載のつもりだったので1巻だけ展開が速いということらしい。

というわけで今更ですが面白かったです。いや真面目な話。

Threads, bluesky, fediverse

個人の感想です。

Threadsは悪くはないと感じる。自分のフォローしてない人の投稿が出続けるのはうんざりするが、アプリの使いすぎというシグナルだなと思うことにした。その時点で見るのをやめることにしている。ただどうにも投稿してもぜんぜんlikeがつかなかったりして、あまり張合いがないような感じがある。著名人やインフルエンサーなどの投稿が大きくあつかわれて、自分のような弱小アカウントはそもそも皆のタイムラインに出てきてすらいないんじゃないか、しらんけど。というわけで、そういうメディア消費型のものとしてはよくできているように感じる。

これに加えてアルゴリズムタイムラインが適当に間引いてくれるので、意外とニュースメディアをフォローするのに便利に使っている。前から思っていたがニュースメディアとかはものすごい数の記事が掲載されているので、RSSとかでフォローするとそればっかりになってしまってなかなか厳しいという現実があった。適当にまびいて重要そう・自分に興味がありそうなものだけを見せてほしいわけだが、これがなかなか難しい。Threadsのようなアルゴリズムタイムラインだとそういうことが自動的にされているので助かる、という次第。そんなわけでNew York TimesとかNPRとかをフォローしている。そうするとわりとニュースっぽいタイムラインになってくれるのでわりと快適。

もちろんこれはニュースの情報源をメタ社のアルゴリズムに握られてしまうので危険なんだけど、そこはほかのツールとかも使うことでなんとかしたい……かな……。どうだろうか。

Blueskyはいまのところ微妙という感じがある。人は増えてきているし、こういうサービス初期につどう日本人の「いつもの面々」が活発なので、その辺の人たちには愛されているのだろう。ただ、そのおかげで日本のツイッターにあったようなノリがそのままやってきていて、そこに少し息苦しさを感じている。自分のように感じるのはむしろ珍しく、多くの人はツイッターのようなものをまさに求めているんだろうけど、自分はそうでもないんだなと感じた。フォローする人をいろいろ変えたりすると改善するのかもしれないが。とはいえそれなりに使っているしたまに投稿もしている。

今後、人が増えたり招待制をやめたりしたらイッキに雰囲気が変わりそう。今後どうなるかは少し気になる。

Fediverse (mastodon) はいまのところいちばんよく使っている。人は増えないが平穏という感じ。それでいて意外といろんな人がいるのに面白さを感じている。自分にとってはいちばんバランスがよいかなと思う。一番よく投稿している。正直あんまり人もいなくて反応も薄いし、今後ここが大きくなることはないだろうと思うけど、とはいえ反応もあったりするし、その辺が自分にはちょうどいいんだと思う。変にバズることもありえないし。

とまあそんな感じです。

あ、あとNostr。そんなのもありましたね。