月: 2024年10月

notebookLMのポッドキャストにも論文を解説してもらう

misreading.chatというポッドキャストをたまにやっている。森田さんと二人、毎回どちらかが何らかの論文を読んできて紹介するというポッドキャストだが、性懲りもなく続けている。

さてGoogleのnotebookLMに、アップロードしたドキュメントをベースにしてポッドキャストベースの音声対話を自動合成してくれるという機能が最近入った、というのはmisreading.chatでも冒頭で話されたことがあった。

それで自分の回の論文でも話してもらってどんなものか見てみますか、といっぺんやってみることにした。題材はこないだ公開された GSM-Symbolic という論文だ。

音声はこちら。

https://notebooklm.google.com/notebook/bb23e1ac-d4bb-4cb4-beea-02adbe5a05cd/audio

20分ほどで手際よく解説されている。終盤、そんなこと書いてあったかな、conclusionsの部分の適当に読んでた部分をかなり丁寧に拾ってる感じかな、と思うが、全体的によくまとまっている。わかりやすい。バランスの取れた感じなのも好感が持てる。翻って自分のは……センセーショナルな部分を取り上げ過ぎか、という気もするが、自分の興味のある部分を重点的に解説していたな、とも思える。一方、例えばGSM-Symbolicの具体的な構造や、個別の問題がどのように改変されるのかといった例などは自分は興味深く思ってるので詳しく話したつもりだけど、AI要約ではごく簡単な言及で済まされていたり具体例には乏しかったりしているような気がする。実際そういう話は要約としては不要なのは確かなのだが、結果として、AI側はややふわっとした内容になってしまっているような気もする。

それにしてもLLMの能力の(ある種の)限界について論じた論文をLLMにトークしてもらうというのは何というかこう……入り組んだ何かだな、という気がして興味深い。まあいいです。

もう一個べつなネタとして、少々前だがCVMアルゴリズムというストリーム内の要素の種類の数を概算する確率的アルゴリズムの回を与えてみた。この回はメインの論文とKnuthの解説記事を両方与えて生成している。

https://notebooklm.google.com/notebook/f80dc7a8-2ef5-4ef7-8341-3aeed7b8f622/audio

これも確かによくまとまっているし、内容を的確に要約している。しているが……アルゴリズムの具体的な話も、証明の概略も、特にあんまり説明されていない。このアルゴリズムのキモはなんなのか、という話もなくて、全体的にふわっとしている印象がより強まっている。気がする。

というわけで、機能としては本当に素晴らしいのだけど、自分たちのポッドキャストの競合なのか?というとよくわからないな、という気もしてきた。もちろん、もうすこし微調整ができたりするとこの辺はどうにでも変化しうる気もするし、現状でもかなりポッドキャスターとしては脅威という気もするけど、やっぱそれとはすこし違う何かなんだろうなというふうに思った方が適切な気もしてきました。

そもそもAIに要約してもらう時にポッドキャストの形態で教えてもらいたいものなんだろうか? 実験プロジェクトなのでそういうことをいうのも変だし、論文紹介ポッドキャストをやっている身でいうのも何だが、あんまり実際のニーズはなさそうではある。なさそうではあるが、生成物は大変興味深いので面白いんだよなぁ。

Wordle今でもやっている

Wordle、今でも毎日やってる。Max Streakがいまだに60ぐらいだし勝率も96%ぐらいしかないけど。

ちょっと飽きかけた時期があったんだけど、そのころにCracking the crypticというyoutubeチャンネルを教えてもらってまた継続するようになった。このチャンネルは主に数独(に追加ルールを入れたような難解なやつ)を解いたりするような動画をあげてるチャンネルなんだけど、shortで “Wordle in a minute” というシリーズをやっている。チャンネルホストの一人のMarkはThe Times Crossword Championshipの12回優勝経験ありという触れ込みで、そのMarkが豊富なごいでサクサクとWordleを解いていくのは小気味よく、面白い(翌日になってから公開されているのでネタバレはない)。自分で解いているとあの難しかったものがこうもあっさり解かれるものかとも思うし、hard mode特有の罠をいかに回避するかとか、作戦の立て方も見ていて面白い。シリーズ自体にも謎のエコシステムが育ちつつあり、正解がどれぐらい難しかったかの統計情報をコメントする奴とか、回答で使われた単語で文章を作る人、あとMarkはテーマを決めて毎日違う単語で始めているのだが、そのテーマを推測して翌日の単語を予測する奴もいる。もはやこれを見るためにWordleをやってるまである。

……と思っていたのだが、それでも最近やっぱり飽きてきた。自分のopening wordは最初はshirtで、それからstareにして、最近はplateだったけど、何にしてもopening wordが固定だと、このパターンの時は2番目の単語は大体これ、みたいな流れが確立されてきてしまう。たまにはopening wordを変えたらいいんだけどどうしようかなー……という感じ。

それで最近は自分も Wordle in a minute でのMarkのopening wordを使うことにしてみた。上述のように翌日のopening wordを予測してる人がいるので、それに従っている。opening wordを変えると展開がマンネリ化しないので面白い。勝率は下がるだろうが、そこにはこだわりはないので大丈夫。もうしばらくはこれで行こうかなと思っている。

何もしてないのにMacbookが壊れたので

確か2021年にM1 proのMacbook Proを買った。14インチのモデル。それを個人用として使ってたんだけど、ある日電源だか充電だか(?)の部分が壊れた。現象としては、なんか充電ができなくなった。

相変わらず電池の持ちがいいので普段からこまめに充電しているという感じではなかったんだけど、ある日なんか電池が減ってるな、ということに気づいて充電ケーブルを繋いだところ、充電されない。普段はUSB-Cのケーブルを使って充電しているけど、何か変だ。携帯電話に繋いでみたら普通に充電できるので、ケーブルの問題とは考えづらい。

そこでMag-safeのケーブルを引っ張り出してきて繋いだところ、どうも怪しい状態になる。OS上の電池・充電表示では充電されていないが、一応Mag-safeケーブルの方ではランプがオレンジになっていて充電している(?)状態になっている。それでそのまま一晩放置してみることにした。そして翌朝確認したところ、まったく充電されていない。まずい。

色々試してみたところ、OSをシャットダウンして電源オフ状態にしてMag-safeケーブルで充電すると、非常に遅いながらも充電ができる、ということがわかった。ただし丸一晩充電して17%から90%くらいまでしか充電できない。なんらかの故障で充電するための機能が部分的に壊れたんだと思う。充電するための電力供給が非常に少なくなっていて、OSが動作していたりUSB-Cとかでは供給量が少なすぎて充電状態にならないのだろう。

相変わらず電池の持ちは悪くはないので、数日に一回充電すれば全く使えないということはないのだが、普通に壊れたわけだし不便なので、ひとまずハードウェアサポートに連絡してみた。AppleCareには加入しなかったのでwarrantyの範囲外になるが、サポートは受けられる。ジーニアスバーかなと思ったが、それと別に近所に公式に提携したハードウェアサポートの窓口があったのでそこで調べてもらった。

二日ほどかかって、確かに充電できないのでロジックボードを交換する、という話になった。交換費用は$840。

$840はかなりの額だし、それできちんと直るのか、データのロスはあるのかとか不安もあるし、それだったら新しいの買うわ、と思って一旦そこで引き下がった。それで調べて、結局M3 Macbook Airに乗り換えることにした。カスタマイズした結果として$1300くらいになり、元の修理費用が$840と比べたら割と高くついたが、まあありかなというぐらいの微妙な値段だ。

Apple StoreではMacbookでもトレードインプログラムがあるみたいで、壊れたM1 Macbook Proは一応トレードインしてみることにした(持っててもしょうがないし)。ストアの自動見積もりではトレードイン価格は$750ほどになった。なんといっても画面はつくし、目立った傷とか不具合もない。充電が(ほぼ)できない、ということは評価項目にはないので。そんなに帰ってくるとだいぶ楽になるなーと思いながら買った。

ただ結果としては充電できないということは普通バレて(あるいは公式サポートなので情報がデータベースに残っていたとかで)、トレードイン価格はゼロ、なくなってしまった。画面は普通につくしハードウェア的な瑕疵がないのにゼロになっちゃうのはちょっと理不尽だなーと思わなくもないが、まあ仕方ない。

14インチMacbook Proから13インチMacbook Airになったが、不満は特に感じない。私用では特にすごい計算を(最近は)してないし、画面は多少小さくなったがそれほど問題でもない。むしろリビングで雑に使っているので、結構軽くなって取り回しが楽になったのはよかったかもしれない。

まあ3年ぐらい使って買い替え時期だったのだろうなと思うことにしている。それにしても見たことない故障だった。