『それ町』5巻が面白い

This entry was posted by on Saturday, 27 December, 2008

それでも町は廻っている 5

いやなんかちょー面白かった。8つあるエピソードのいずれもがツボの巻で非常によいことでした。36話や38話のように、今の話と思い出を順番に描くという手法を使ってるけど、この2つはどちらもそれが有効に機能していてじんわりくるエピソードに仕上がっている。ほかにも39話のようにどこが夢でどこが現実なのかわからなくなるような構成や、42話のようにいろんな人の証言をまとめる表現のように、ちょっと構成を凝ってみた風のエピソードが揃っているが、どれもきちんと成功していて上手いなあと思う……っていうか、構成に凝ってみたりするのは、この人はわりと前からやってるか。でも改めてそういう上手さに感じ入りました。

でも上手いだけじゃなくて、『それ町』はギャグまんがなので笑えるオチをきちんとつけていて、オチがけっこう決まってる。とくに40話なんか、あまりにも予想通りな結末なのにすげー笑いました。41話の3段オチも面白くてよかった。

39話ではなぜか敢えて静ねーちゃんの裏の稼業を敢えて読者に明示しないのもいい雰囲気を醸し出しているよな(どうでもいいけどアナグラムなのね。って本当にどうでもいいな)。

もうひとつ書いておきたいのは、『それ町』といえば平然と非日常的なモノ(死後の世界とか宇宙人とか)が同居していながら主人公たちはそれに気付かなかったりほったらかしにしているところがあって、今回だと35話や42話がそれにあたりますが、これがよかった。あまりにもあからさまに出てくるとちと興醒めになってしまいますが、今回は微妙な扱い方がいい感じ。

まあ、敢えてオススメと書かずとも皆さん当然すべて読んでいることと思いますが、改めてオススメです。

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