『最短経路の本 レナのふしぎな数学の旅』
読了。といってもかなり飛ばして読んだ。
ドイツの高校生レナが、自宅のPCにあらわれた不思議な人工知能ビムと対話しながらグラフ理論、最短経路探索に関する数学を学んでいくという話。
内容は平易に書かれているし、訳者も気を使っているらしくてそれっぽい訳である(といっても、なんだか二昔前の児童小説のような文体だが……)。ただそれ以前にドイツが舞台なのでちょっとわかりづらいところもあって、というのは具体的には地下鉄で「最良」の経路を探索するあたりの話があるんだけど、その説明はミュンヘンの地下鉄の路線図なのだった。もちろん路線図は掲載されているんだけど、どうにもこうにも(本質的でないところで)わかりづらくて、翻訳ではなく翻案の方がよかったかもね、なんて勝手に思ったりした。
あと、作中で紹介されているページのかなりの部分がデッドリンクになっているらしいところも気になる。訳注で「現在はデッドリンクのようだ」という説明があったりするんだけど……。せめて、サポートページも訳してほしいなーという気が。
教科書ではないし一般書(科学啓蒙書)としても一流ではないと思うけど、もしまったくこのテのネタを知らないならふつうにお勧めできる本。いちおう対象読者は高校生以上といったところ?(主人公が高校生なので)