『最短経路の本 レナのふしぎな数学の旅』

This entry was posted by on Wednesday, 6 February, 2008

読了。といってもかなり飛ばして読んだ。

ドイツの高校生レナが、自宅のPCにあらわれた不思議な人工知能ビムと対話しながらグラフ理論、最短経路探索に関する数学を学んでいくという話。

内容は平易に書かれているし、訳者も気を使っているらしくてそれっぽい訳である(といっても、なんだか二昔前の児童小説のような文体だが……)。ただそれ以前にドイツが舞台なのでちょっとわかりづらいところもあって、というのは具体的には地下鉄で「最良」の経路を探索するあたりの話があるんだけど、その説明はミュンヘンの地下鉄の路線図なのだった。もちろん路線図は掲載されているんだけど、どうにもこうにも(本質的でないところで)わかりづらくて、翻訳ではなく翻案の方がよかったかもね、なんて勝手に思ったりした。

あと、作中で紹介されているページのかなりの部分がデッドリンクになっているらしいところも気になる。訳注で「現在はデッドリンクのようだ」という説明があったりするんだけど……。せめて、サポートページも訳してほしいなーという気が。

教科書ではないし一般書(科学啓蒙書)としても一流ではないと思うけど、もしまったくこのテのネタを知らないならふつうにお勧めできる本。いちおう対象読者は高校生以上といったところ?(主人公が高校生なので)

最短経路の本

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最近おもしろかったまんが

This entry was posted by on Wednesday, 6 February, 2008

ここ一週間は、サーバがトラブったり、そうでなくてもいろいろあってあんまし本は読んでないんですが、とりあえずざっと読んだだけのまんがから、やたら面白かったのをピックアップ。といっても『おおきく振りかぶって』であるとか『大奥』であるとか『ハチワンダイバー』であるとか、そんなものはオレがいちいち書かなくても当然買われているはずのものなのでその辺は略す。

といっても、よしながふみの『きのう何食べた?』[1]もその範疇に入るかもしれないけれど。

弁護士事務所に勤めている筧史朗とその周辺の人たちの日常と料理のまんが、かな。筧はゲイで、美容師の矢吹賢二と同棲中、という側面もあるのだけど、そこはべつだんショッキングな何かではなく、日常的な事物としてさらっと描かれてる。このまんがのいいところは、ちゃんと自分で料理してんなーという雰囲気があるところ。っていうのはこの場合、「それから昨日ののこりの小松菜と厚揚げで煮びたしを作る」っていうあたりのことで、つまり日常の料理っていうのは食材をぜんぶ買ってえいやっと作るわけではなくて残ってる野菜をうまく消費しつつ作るわけだ。こういう生活感みたいなので全体的に覆われているのが、このまんがの良いところなのかも。

次。木村紺『巨娘』は gekka blogの感想を読んで買うことにした。

まーなんつーか面白いっつーかなんつーかよくわからんが、ユカイでした。身長180cmを越える巨娘、ジョーさんは焼き鳥屋の店長なのだが、身長のみならず態度とかスケールとか諸々がデカいジョーさんの日々、みたいな。下世話でパワフルでネームが多い。

あと、ジュンク堂をふらふらしていたら某コミック担当に勧められた『聖☆おにいさん』。

ふたりの聖人、キリストとブッダは現在、立川の安いアパートをシェアして休暇中――てなまんが。なぜかふつーの貧乏な若者風のメンタリティで生活しているのが妙に味わい深い。なぜかヤクザと仲良くなるあたりのくだりが個人的にはツボ。あと一コマだけ『デスノート』ネタとか。ヘンなTシャツ(「仏なんだものなあ ブッダ」とか書かれたモノ)を着こなしていたりとか。そんな感じで面白い。

てなところで。

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