S-Fマガジン10月号

This entry was posted by on Thursday, 4 October, 2007

久々に考課表に復帰。じつはワールドコンより前に数ヶ月分をイッキ読みしてなんとか追い付き、点数だけは追い付いていたんですが、感想を書くのもそれなりにエネルギーが要るので無視しておりました。

デイヴィッド・ブリン「スカイ・ホライズン」

「ふつうの高校生だったマークの生活は一変した。その日、エイリアンを救けてから……」という惹句が見事かも。かように書けば粗筋は『ET』的に見える。それに確かに意匠としてはソレが選ばれているので正しい惹句だが、実際にはなるたけその類型を外すように外すように書いてある。その努力の具合が微笑ましく思えるか好ましく思えるか、というところかな。個人的には、単純によくある展開をハズしているだけではなく結末までの展開がちょっとどうなるか予想がつかなくてなかなか良かった。匠の技の冴えというか。褒めすぎ?

あと、歴史の授業のシーンが描かれるけどこれが面白かったかな。ディスカッションのみ。本文中には高校の授業にしては型破りみたいなことが書いてありますが、こんな授業は日本じゃ大学に行ってもなかなかありません。

てことでちょっと過大評価気味だけど+3

飯野文彦「蝉とタイムカプセル」

小学校の同窓会が開かれる。ところが自分には小学校時代の記憶がまるでない……というホラー。オチになって明かされる事実はホラーとしては平凡だが、気持ち悪い描写は素晴しい。+1

椎名誠「這うもの吸うもの齧るもの」

SFM読まない人のために説明すると椎名誠がエッセイ連載をやってます。これはその3回目? 今回は人に嫌悪される昆虫/爬虫類/その他生物の話。±0

 

連載陣では『ジャン・ゴーレ』は相変わらず。今回はログロ人による虐殺が丹念に書かれていて非常に気持ち悪くも馬鹿馬鹿しい。+2 『霊峰の門』は挫折して読んでおらず、『小角の城』は前後の関係がちょっと把握しきれなかったので今回は考課を略させてもらいます。

帝国少年の「祓魔師娘」(SF Magazine Gallery)は個人的にはちょいとイマイチ。わかりやすくストーリーラインがありすぎるのも、このシリーズとしてはマイナス点なのではないかと思った。-1。おまキューは平均点で+1。水玉蛍之丞の連載は点をつけてませんでしたっけ? まあいいや。

2 Responses to “S-Fマガジン10月号”

  1. はやし(哲)

    あれ?10月号って、「SFまで100000光年」載ってないよね?

  2. 向井

    あほんとだ。定位置にはなかったけど目次にあったのでうっかりそう書いてしまいました。落としたのか。