小泉武夫『菌が世界を救う!』
なんだかあれだな、『もやしもん』のネタ本みたいな本であった(本書の刊行はついこないだの9月24日ね、為念)。
言うまでもないけれども(わたしは大して読んでないけど)小泉武夫の方が先なのでそういう言い方をするのもおかしなことなのだし、まあいつものような感じであるなあという気もする。わかりやすさを優先したのか妙に強い言い切りが多かったのだがそれもそれだし、ゴミの処理やらエネルギーの話やらから食い物の話から、いろんなトピックがコンパクトにまとまっているあたりはグッド。
それにしても言及してあるトピックはいやに近くてこれはたぶんあれだな、『もやしもん』人気にアテこんで作中の情報をサポートするような意図で依頼した本なのだろうなあトピックとかも依頼に組み入れたりしてさ、なんて思いながら読み終えてあとがきで茶を吹いた。
>農大を舞台に菌が活躍するマンガが人気なんだそうです。どうも私をモデルにした人物も登場するというんですが、私が日本に紹介した「キビヤック」や「シュール・ストレンミング」などをマンガのネタにしているようです。よろこんでいいのやら、怒っていいのやら、「モデルになった俺に挨拶がないなあ」なんて思っております。
うはは。
しかしなんだ、キビヤックについては「植村直己の本か何かで読んだことがある」と蛍につぶやかせていたけれども、『もやしもん』では小泉武夫にまるっきり言及していないというのは謎ではある。
なんてことをmixiに書いたら指摘されたが石川雅之はインタビューなどでは「小泉武夫の本は読んだことがない」とか言っているとか。樹教授のモデルが小泉武夫ではないってのはいいんだけど、読んだことないってのは本当かなあーという気がしないでもない。とはいえ疑っても栓なきことではありますが。
てことで本としてはそういう人気をアテこんだ本ではありますし小泉武夫のベストかってーと違うと思いますが、なかなか面白いです。読んでると納豆喰いたくなるんだよなあ。