北岡明佳『だまされる視覚 錯視の楽しみ方』

This entry was posted by on Sunday, 29 July, 2007

北岡明佳といえば、蛇の回転などとにかく有名な錯視のページの人だから知っている人も多いと思うのだね。

この本はその北岡明佳による錯視デザインの指南書。よくある錯視の本と違うのは、錯視の例だけじゃなくて基本パターンや錯視が起こりやすくなる(起こりにくくなる)条件なんかの説明が豊富なこと。この本を読めば自分でも錯視デザインを作れる……ところまでは行かないかもしれないが、ひとまず簡単なドローソフトでいろんなものを作ってみることができるようになる。

というわけで、作ってみたのさ。よくあるカフェウォール錯視を、 InkScape でね。そしたらもうぐねぐね曲がる曲がる。面白い。本とかに書いてあることと違って、それはいまわたしがツールで描いてることは明らかなんだけど、四角形を置いていくとどんどん線が歪んでいく。ホワイト効果も試してみたけど、灰色のブロックを動かすだけで色が変化していくのは面白い。

錯視は見るのも楽しいが、つくるのはなお楽しい。そんな本でした。でなくても本書に挙げられた多数の錯視図を見るだけでも充分に楽しいです。クラクラします(いろんな意味で)。

不満点があるとすれば紙がちと薄いことかな。場合によっては裏(次ページ)のデザインが透けて見えてしまって興が削がれるところがいくつかあった(効果には支障なかったけどね)。

だまされる視覚 錯視の楽しみ方

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