ジョン・C・ライト『ゴールデン・エイジ1 幻覚のラビリンス』

This entry was posted by on Tuesday, 7 November, 2006
>がーん、まったく終わってねぇ。「三部作」というから、もっと一冊一冊がちゃんと終わってる話だと思ってたよ。訳者あとがきによれば、当初は1巻本の予定だったそうだからそういうものかなぁ。 > >……1冊で終わる長さで書けばよかったのに。 > >というわけで、最後の方は相当に飛ばし読みして読み通したのだが、面白いかというと正直、微妙。読んでみると、実はところどころに見るべきところもある小説なんだけど、「まぁそれだけ書けばひとつくらい心の琴線にふれることもあるでしょう」という下手撃ちゃ当たる理論が心をよぎります。 > >まずストーリーがかなり退屈。だけど、登場人物がことごとくギリシア神話から名前を採用してたり妙に大仰な長広舌をふるうところとかも鑑みるに、これは意図的にそうしていると見るべきではないかという気もしないでもない。でも、だとしても読んでて疲れるんだよね。そもそもストーリーはさして重要ではないんだろうけど。 > >で、ストーリーが重要でないとすると、作者の主眼がどこにあるかといえば、この世界を描くところにある。確かにヘンテコで独特な感じを作り上げるべく頑張っている感じだが、説得力も魅力も皆無なんだよな……。説得力についてはニュースペースオペラの作品は全般にないと言えるけど、まぁでもストロスとかマクラウドとかは、その辺はわざと類型的に描いている。でもこの作品だと、「そんなに頑張って見せるのがこれなのかい……?」という感じ。 > >確かに絢爛たる気宇壮大な設定で、いろんなアイディアがたくさんぶち込まれている。ヘンテコSF世界に対するよくある褒め言葉に「膨大なアイディアがつまってる」とか、そういうのがあるじゃないですか。でもアイディアがいっぱいあっても、それだけで魅力的になるわけじゃないんだな、というのが本書を読んで得られた教訓のひとつ。いや、そうであってもいっぱいアイディアがあるのは確かで、ひとつひとつを検討すると面白いものもあるんだけど。 > >ま、でも、好きな人は好きなんじゃないですかね。 > > >

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