芹沢一也『ホラーハウス社会』

This entry was posted by on Monday, 6 November, 2006
>いまさら読んだ。そしていまさらだけど、これは良書ですね。 > >「少年による凶悪犯罪は増えていないというか減っている」という統計についての話題は、なんか定期的にwebに出没するので私は既知だったしそういう人も多いと思うが、本書はそこでは終わらずに、そこから今の社会のありかたを考察する本。端的に言うと、ほんとうはむしろ減少しつつある「異常犯罪」に社会は怯えているという主張であり(それがタイトルの「ホラーハウス社会」)、そのために「異常な人」を社会から排斥する方向に進んでいるのではないかというあたりの危機感の指摘が主眼。 > >いまの少年法や精神鑑定などについての説明も優れていて、わたしには説得力を感じた。ただ、今の社会の(無自覚さゆえの)あやうさを指摘することに稿をさいているので、既存のシステムの問題点や、それではどうあるべきだと筆者が考えているか、といった点は(書かれているけど)あいまいなままになっている、と言えるかも。 > >解説を、筆者とはやや意見を異にする立場の人が書いているのも、書籍ぜんたいの構成としては良いですね。たださすがに「解説」としてはなんだかわからんことになっていますが。 > > >

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