変換しない日本語入力

This entry was posted by on Thursday, 26 May, 2011

みなさんはGoogle日本語入力を使っていますか。

使っている? ではリアルタイム変換という機能はご存知でしょうか。

Google日本語入力では、主に2つの方法でサジェストを出していました。ひとつは、入力中の文字列から始まる読みの単語を辞書から出してくれるもの。もうひとつは、自分で一度確定させた結果を覚えておいて、似たような入力の時にサジェストしてくれるという機能。

リアルタイム変換は少し前に入った実験的な機能で、このサジェスト機能にパワーを与えます。具体的には、現在入力中の文字列を実際に変換してみて、その変換結果をサジェストとして出します。つまり、スペースを押さなくても変換結果がどんなふうになるかがわかるというわけ。もちろん、Tabキーなどで選ぶこともできます。辞書からのサジェストは、一単語でないとサジェストしてくれないし、履歴からのサジェストは定型文でない初めての文章には効きづらい。リアルタイム変換にはそういった制限がなく、いくら入力してもどんどんサジェストしてくれる。変な打ち間違いをするとすぐわかるという副次的な効果も。

ところで、Shift-Enterでサジェストの一番上のものを選んで確定できるのって説明しましたっけ? リアルタイム変換の場合、これでいいとなったら、もう変換しなくてもそのままShift-Enterすればよく、これはなかなか快適。

それで開発者の中での思いついたのが、もういっそShift-EnterとEnterを入れ替えてしまうという思い切った設定(こういう変更は割と簡単にできる)。こうすると、ダーッと打ってサジェストに出てきた変換結果でよければそのままEnterしてしまえばいい。ダメなら普通のようにスペースバーで変換を開始できる。

これ聞いたときは私も、Shift-EnterもEnterも一緒じゃん、と思ったもんです。が、ものは試しと最近になって試してみることにしたのですが、これは画期的。たかがキーバインドの変更ですが、これがかなり使い心地を変えてしまう。変換をしない入力という感じ。書いてEnter。頭の中に思いついた音をただ書いて、確定するだけで文章が書ける。画期的!

……ただちょっと言い訳をしておくと、ここでこの文章を読んでいるのは相当先進的なコンピュータの使い方をしている人たちだろうと思うからこういう書き方をしているわけで、他人に勧められるような使い方では決してない。普通に使うなら概ね大丈夫でも、細かい部分がすごく変になってしまう。入力というのは例外の塊ですから、異常系に弱いとトータルの使い心地は今ひとつでしょう。

例えば、比較的長文を入力しないと、文脈がわからず、変な変換になりがち。単語1つや2つの入力で確定させるスタイルの場合はうまくいかなくて、文章単位で入力して確定、ぐらいのリズムになる。リズムが崩れると、またちょっと嫌な気分になっちゃう。リアルタイム変換は他のサジェストと違って予測もしないので、予測に頼る入力スタイルの人だと打鍵数も増えるかもしれない。

あと大事な点としては、書いたあとに細かい直しをしたり、間投詞みたいな言葉には弱い。「っぽい」って足そうとして「っポイ!」になっちゃったりするし(笑)、「なら」が「奈良」になったり、チャットで笑いのつもりで「はは」と書こうとして「母」て相手に送ったときはどうしたものかと頭を抱えたり。そういうわけで、普通の人が普通に使うことはきっとできないでしょう。

ただこれはちょっと面白いなと。なんか不思議な使い心地で楽しい。しばらくこの設定で生活してみようかなと考え中です。

# つねづね書いていますが、一応ここで強調しておくと、私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。よろ。

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