浅倉久志『ミクロの傑作圏』

This entry was posted by on Saturday, 24 April, 2010

先ごろ亡くなられた浅倉さんの著作ということで、そういえばこれは読んでなかったなあ、と手にとった一冊。ミクロの決死圏じゃないよ。文源庫のサイトから注文できたオンデマンド出版の一冊(追記: もう買えないっぽい?)。

まえがきもあとがきも一切無く、出典すらなく、海外の短編かショートショートというべき作品が並んでいるだけという構成で素性がよくわからないのだけど、こちらの説明によると遊歩人で連載していたものをまとめたものらしい。国会図書館に入ってないとかどうなんだと思うんですが、実はそもそもISBNがふられてないので同人誌みたいなものですね。

中身ですが、SFではありません。ユーモア/ナンセンス小説かな。ニヤリとさせられるものあり、苦笑するものあり、爆笑するものあり、正直なんだかよくわからないものもあり。浅倉さんは言うまでもなくSFの翻訳に多大な功績があるわけだけど、当人の個人的な趣味としてはこういう気の利いた作品を好んでいた、というのはよく聞く話。そういう作品が24編ほど入っており、浅倉ファンとしては非常に興味深いものがある。いちばん面白かったのは「最後のユニコーン」かな。次が「住むならクジラの腹の中」。ま、しかし、どちらかといえば浅倉さん本人に興味のある人が読むべき本かもしれません。

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