アンブレラ・アカデミー

This entry was posted by on Tuesday, 13 April, 2010

アンブレラ・アカデミー ~組曲「黙示録」~

未婚で妊娠の兆候すらなかった女性から子どもが生まれる事件が世界中で発生。高名な科学者サー・レジナルド・ハーグリーヴズは八方手を尽くし、そのうちなんとか7人の子供を引き取り、育てることを決意する。……世界を救うために。

10年後、7人の赤ん坊は少年少女となり、スーパーヒーロー「アンブレラ・アカデミー」を結成した。No.1スペースボーイ、No.2クラーケン、No.3ルーマー、No.4セアンス、No.5ボーイ、No.6ホラー、そしてスーパー能力を発現させなかったNo.7ヴァーニャ。6人の少年少女は発狂したエッフェル塔を打破し、人々を救った。

それからさらに20年後、博士の訃報から再び物語は幕を開ける。時間移動能力者であるNo.5は未来を垣間見、近い将来に人類が滅亡することを知り、その破滅が近づいていることを警告する。一方、とある犯罪者組織がNo.7ヴァーニャに接触を試みる……。

いわゆるアメコミのヒーローものですが、簡単なヒーローの物語にはなっていない。少年少女時代のアンブレラ・アカデミーはわりと清く正しいヒーローですが、それから20年が経過した彼らはもう中年にさしかかっていて、過去の栄光は過去の栄光として、それぞれアンブレラ・アカデミーを離れ、今を生きている。それぞれ仲違いもあれば意見の違いもある。それでも世界の危機が訪れれば集結して人々を救う。ビターなストーリーはとてもいい。

絵柄はシンプルでデフォルメが効いていて、日本のまんがに慣れてるとちょっと抵抗感があるかも。でも読みやすいので、すぐ気にならなくなると思う。

ぼくもアメコミは最近読むようになったクチで、昔からつづいているシリーズのことはよく知らないし、『フロム・ヘル』(上)(下)みたいな作品は凄いんだが、凄いだけに簡単には人には勧めづらい重量感がある(物理的にも、内容的にも)。人に勧めるならこの作品みたいなところから入るのがいいんじゃないか、と思った。

といっても凄くないってわけじゃないですよ。日本のまんがに慣れてても読みやすいストーリー展開と絵柄なので、おすすめです。

A

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