最近よんだ本

This entry was posted by on Thursday, 18 December, 2008

小林めぐみ『回帰祭』

けっこう面白かった。年に一度の環境が回復した地球へ戻る回帰事業、避難船という閉鎖された環境の生活、異常な社会といった設定を手際よく料理したオーソドックスなタイプのSF。オチにあたる設定はすぐ察せられるし、最後に何でもかんでも言葉で説明されてしまうというのはいささか興醒めなところもあるのだが、こういう話はけっこう好きなのだった。

何箇所か登場する「テラファーミング」というのは意図的なものらしい。過酷な環境を地球化して定住するのではなく、あくまでも人間は船のなかで細々と暮らしながらも極には農地をつくった、というあたりのニュアンスを考えた造語なのかなあ、とは思うけど、それでもむずむずするよ(笑)。

千松信也『ぼくは猟師になった』

知り合いが「知り合いが猟師になってた」という話をしていてえらくびっくりしたのだが、その知り合いから「なんか本になったらしい」というのを聞いて買ってきたのがこの本。幼い頃の話から大学時代のエピソード、ワナ猟とはどういうもので、どうやって習い、どんな風に生活しているか、といった話を淡々と語る本。読ませるタイプの本ではないが、読んでいるとじわじわと面白い……かも。

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