安福良直『世界最大の虫食い算』

This entry was posted by on Saturday, 20 December, 2008

ぱらぱらっと読了。細かいところを飛ばして読んでしまったのは申し訳ないかも。

筆者はニコリの現編集者で、大学生の時に20000ケタの完全虫食い算(表出数字がまったく存在しないタイプの虫食い算)を製作したという人。その人が、当時どのようにして(コンピュータもなしに!)広げるとタテ180メートル、ヨコ100メートルもの巨大な虫食い算を計算したか、という試行錯誤の過程が書かれた本。

虫食い算とは何か、どうやって解くか、その魅力とは……みたいな話を、かけ算の九九表のレベルから語り起こすあたり読者のレベルをどの辺に置いているのかわからないし(それとも、数式はぜったいに出さないようによっぽど言われたのだろうか)、ニコリでは馴染み深いおちゃらけた文体は正直読みづらいけれど、完全虫食い算の話のあたりからは面白かった。まあ、そのトピックにぼくが明るくないから、というだけかもしれないけれど。

さらに8章の「絞り込んだつもりが実は同じ除算だった」ということがわかるくだり、そこからさらに、同じ除算でも実は区別がつくことがあることに気付くくだりはスリリングといっていい世界だろう。

巻末に件の問題……は載せられないのでその解答のみが載っている(それでも30ページぐらい費されている)というデタラメなつくりもよい。

ところで、あのパズルに「虫食い算」という名称を与えたのが海野十三だというのは有名な話? 全然知らなくてびっくりした。

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