岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』

This entry was posted by on Wednesday, 22 August, 2007

いつまでもデブと思うなよ

理知的な本だと思ったな。

内容が理路整然としているということではなくて。いやそれもあるけれども、減量に対する岡田さんの姿勢が理知的。

減量というのは、基本的には「消費量以上に食わない」か「食う以上に消費する」かのどちらかしかないわけで。数ある減量法というのは、いかに持続可能な方法を提示するか、っていうことなんですけれども、本書で岡田さんが提案しているレコーディングという方法が万人に受け入れられやすい方法であるとは、個人的にはあんまり思えないのだな。ある種のマメな人にしか通用しないでしょう。

でも面白いのはさ、減量のために、まず食うものをすべて記録するということだよね。それってつまり、自分がいかに食っているかということを確認することだし、太る主因を探るということだと思う。

作中にも書いてあるけど、太っている人と痩せてる人が同じものを同じだけ食べているということはあるわけで、それじゃ何が違うの、ということになる。何が違うかってーと典型的には間食ってことになるんだけど、本書でやっているアプローチというのは、自分が(たとえば)いかに間食を取っているかを確認する作業なわけだよね。最初は食べている種類だけ、次にカロリーを記録していって、それを分析する。分析して、こういうものを食っていたらそりゃー太るよな、と納得する。

減量したいなあ、という人はふつうまずそんな分析からは入らない。でも、この本ではまずそれをやらせている。当人にその理由を求めさせている。で、理由がわかれば、あとはなんとかなると。

いや実践してないからわからないけどね、そんな風な感じなのかなと。そんで分析と納得ありきの手法なので、理知的と思ったですよ。

てわけで、そういう手法が向いている人にしか向かない手法なんじゃないかと思うわけだけれども、このいかにもおたくっぽいアプローチを、いかにもおたくっぽく(リクツっぽく)語ってるところが面白い本だなーと思いました。

しかしこの本、渋谷のブックファーストで買ったんだけど、売れ筋の新書を面陳してる棚にあって、この本だけがものすごく減ってた。売れてんだなー。

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