そういえばふと思ったんですが、amazonのアフィリエイトは、いまはわりとふつうに amazon が出してくる iframe を使ったやつをそのままべろっと貼ってるんですけれど、あれって Livedoor Reader だと綺麗に無視されるのね。まあそれはそうだろうっていうことで異存はないんだけど、 RSS リーダで読む層のことを考えるとそっちにも親和性の高いHTMLを見せるのがアサマシ的には正しいのかもなあ。
ま、本当は ASIN から自動的に生成する記法を作ってやるのがベストなんだけど、いまはまだやってないので。まあ、それはそのうちやろう。
で、それは余談として、今日は土山しげるの『極道めし
』を紹介したい。
土山しげるといっても知らない人は多いと思うけれど、漫画ゴラクなんかでヘンな料理まんがとかヤクザまんがを描いている人だ。代表作は『食キング』『借王(シャッキング)』『喰いしん坊!』『喧嘩ラーメン』あたり。
大食い対決をまんがとして成立させてしまった現在連載中の『喰いしん坊!』もオススメだし、愛の貧乏脱出大作戦な『食キング』もわたしはかなり好きなんだけど(笑)、どっちも長いんでひとまずこの『極道めし』を勧めたい。いろんな意味で土山しげるらしさがギュッとつまった怪作だからだ。
舞台は大阪にあるとある刑務所。この刑務所では、年始に豪勢な御節料理が出るのだが、相部屋になった7人がこの御節料理の一品を賭けた争奪戦を行うっていうのが基本的な筋書き。どんな勝負かというと「ウマいもん体験談」勝負なのだ。ウマいもんを食った体験をしゃべって他人の喉をどれだけ鳴らせたか、で勝敗が決まる。
で、これがウマそうなのだ。食いつめのヤクザもんがそんなに話芸に富んでていいのか、ってなくらいである。
土山しげるは料理まんがを描いてきたけれど、どれもこれも、いわゆるB級グルメだ。『喧嘩ラーメン』はラーメンだし、『食キング』での修行は、町のその辺の店ばっかりで、高級さはない。『喰いしん坊!』にものめずらしい料理が出てくるわけじゃない。『極道めし』の場合、そもそも登場人物はようするにヤクザや犯罪者のたぐいで、そんなすごい体験をしていない。ごくふつうの料理を、ごくふつうにウマそうに食う。でもだからこそ、読者はそのウマさを想像できる。わたしは割と読んだモンの影響を受けるタチなもので、土山しげるの料理まんがを読んでいると、なんだか無性にソレが食いたくなる。お好み焼きとか、トンカツとか。
もうひとつ愉快なのは、心底どうでもいいことをアツく議論することだ。『極道めし』の個人的なハイライトはトンカツの話。なぜかみんなで「トンカツ定食はどう食うか」「キャベツにソースをかけるかどうか」などということを真剣に語りあうのである。そこでまたデカいコマをドーンと使って「みんななんぞ大切なモンを忘れとらんか?」と問い掛けるキャラがいて、なんのことはない単にカラシを使うかどうかという話だったりするわけだが、こういう心底どうでもいいことを真剣に語らうのがたいへんに愉快であり、また共感を覚える。
いや、まあ、実際どうでもいいわけでまったく無意味なんだが、こういう無意味なまんがというのはたいへんに心地良く、好きだな。