三宅乱丈『ぶっせん』

This entry was posted by on Saturday, 23 December, 2006
>モーニング読んでないおかげで不覚にも知らなかったのだが、こないだ上中下で復刻された折に yama-gat さんに勧められて読んでみたらこれがめちゃくちゃ面白かった。こないだついに下が出て堂々の完結。 > >タイトルの「ぶっせん」とは仏教専門学校のこと。とある街で貧乏をかこっていた「仏物専寺」の僧侶が、仏教の専門学校を設立、その授業料で一儲けをたくらむ。一方、その街にはことあるごとに対立していた「金々腹寺」というのがあって、これが面白くない。なぜなら、仏物専寺はいまにもつぶれそうで、つぶれた跡地に道路を敷設することが計画されていたから。そこでスパイとして、正助という者を入学させることを目論む。 > >というのが基本設定だけど、こういう基本設定は、まあひとまず忘れてよろしい。この専門学校に集ったボンクラたちの、なんとも言えない愉快な共同生活がこのまんがのキモ。ちなみに上記の正助は入学前にスパイであることがバレます。 > >登場人物各員の配置や、エピソードでの消化のさせかたが上手くて、どの回もとっても面白い。なかでも「中」巻の最初を飾った尾行に次ぐ尾行のエピソード(39話)などは秀逸。こういう、ピタリ決まるオチに向けて収束していく各話の愉快さがとってもいい。一種の群像劇ではないかと思うが、大きなうねりのようなものはあまりなく、しかしひっそりと、物語は結末に向けて動いていく。最後はちょっとじーんとしてしまったよ。ちょっとね。 > >お勧めです。 > >む、amazonに下巻がまだない。とほー。 >

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