唐沢なをき『ウルトラファイト番外地』が面白い
>『ウルトラファイト』といえば、セブン終了後に『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の戦闘シーンを流用してはじまった5分番組のシリーズのこと。だがむしろ、マニアが語りたくなるような、主として新録版のアナーキーな作品群を指す気もする。というのはつまり、たいへん人気が出てしまい、戦闘シーンの流用だけでは足りなくなったわけである。そこで、その辺の海辺やらにアトラクション用のぬいぐるみを持ち出し、特撮は使えないので基本的に殴りあいだの棒での叩きあいだのの戦いが撮影され、しかもそれになぜかアナウンサーの実況が入る。まさにこれぞ怪獣プロレス。わけのわからないシュールなストーリーがつくこともあり、マニアにはもう堪えられない。
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>とか偉そうなことを抜かしているけど、とうぜん放映時には私は生まれていないので、一部を見せてもらったことがあるだけで部分的にしか知らないわけだが、まあ、そういう伝説的な番組(こないだDVDになったときにはさすがに驚いた)がありまして、それをネタに唐沢なをきが描いたのがこの『ウルトラファイト番外地』。
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>あのゆるーいストーリー、意味はないがとりあえず殴りあいな展開など、実にいい具合に「ファイト」していてたいへんよろしい。さらに加えて原作ネタをふまえた展開もあって、知ってる人にはたいへん面白い、知らない人にはどうでもいいかもしれないまんがに仕上がっている。といってもまあ、さすがにまんがにしたときにはストーリーに起承転結をつけなきゃいかんわけで、その分、あのアナーキーさは幾分かは影をひそめ、ふつうの話になっちゃっているという言い方もあろうが、いやしかし、これ以上はさすがに無理だろうし。
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>また、「ファイト」への愛に溢れた(そんでまんがの中で自分の使った元ネタの解説がきっちり入っている)コラムもありまして、いやーごく一部の人にだけたいへんお買い得なまんがであります。
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