「あさば」がなくなるらしい

This entry was posted by on Friday, 30 March, 2007

綱島街道から慶應の矢上キャンパスへ至る道の途中にちっこい弁当屋がある。それが「あさば」だ。

この「あさば」は、矢上の大学院生で知らぬ者の(たぶん)いない存在感をもった弁当屋である。というのは、夜の6時ころになると、弁当をデカい発泡スチロールの箱に入れ、台車で校舎内を巡回しているからだ。

本当は、そうやって校舎内を売り歩くのはいけないことであるらしいのだけれど(そんなことをしているのは「あさば」くらいのもんで、ほかの店はやっていないし)、ともかく完全に黙認状態。

だいたい日が暮れて小腹もすいてきて「そろそろ晩メシどうしようかなあ」などと漠然と考えている午後6時過ぎころ(あるいはミーティング中に頭のなかだけ「腹減ったなー」とだけ思っているとき)、台車がタイルの床を走る、きゅるきゅるという音を聞いて「あっ、あさばが来た」と思うわけである。学生(と教員)はそのまま廊下に出て、オバちゃんが台車を押して来るのを待ち受ける。

弁当は500-650円くらい、さいきん出来たオリジン弁当やコンビニのめしよりはちょっと高いのだけど、そのぶんボリュームがあるし、なにより校舎の外まで出なくても買えるのが便利で、利用者は相当数いたと思う。

12月-1月あたりの卒論・修論時期になると、買う学生も増え、売り切れてしまうことがある。そのときは注文をすると、あとで配達しに来てくれる。とまあ、そういう仕組みである。

で、このたび「あさば」は改装ということで、いったんお休みするらしい。今日はその最後の日。再開のスケジュールを聞いたところ、5月初旬には復活するという話だったが、ただし人手の問題もあって校舎内の配送はやめることになるだろうという。

さっきオバちゃんに聞いてみたのだが、もう四半世紀くらい矢上に通う毎日だったらしい。ちなみにいつも同じ人。それなりの年の教授が学生だったころから利用していたってことだな。

残念至極であるが、これも時代の流れか。お疲れさま。

しかし「あさば」が来なくなると、大学院生の食生活はかなりドラスティックに変化しそうだ。ちょっと想像できない。

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