武富健治『鈴木先生』

This entry was posted by on Wednesday, 13 September, 2006
>あ、これすごく面白い。なのに、何が面白いのか、うまく表現できない。 > >……鈴木先生の、心理描写、なのかなあ。起きている事件それ自体はそれほど深刻なものでもないのに、異様な密度で繰り広げられる……いや、違うな、そういうことを言いたいわけじゃないんだ。なんだろう、これ。 > >買う前には、いわゆる「日常小ネタ」系のギャグまんがとか、そういうのを想像していた。でまあ、日常の小さいネタを扱っているのは確かなのだけど、そういう意味での期待はすっぱり裏切られた。むしろ中身は、ずっしり重い。「給食で酢豚が廃案になるかどうか」という、ある面ではどうでも良いことがたいへん重たくのしかかる。 > >鈴木先生の、生真面目な先生ブリがある種のおかしみを持っている、そういう側面は、まあ、ある。けれどもそれだけではない。教師を主人公に据えた、現実にありそうな問題を扱っていて、理想的でもなく現実的に落ちつきそうな着地点を見つけるような物語が良いのだろうか。しかし、リアリズムの作品ではないという気がする。つまり、いかにも現実的なガッコの有様は、このまんがの中にあるとしてもそれは結果であって作者の目的ではなくて。たとえば、実際に小中高の教職員の感想が聞きたくなるわけじゃないもんな。そういう確認作業は必要なく、面白いものは面白いのだ。 > >やっぱり心理描写なのだろうか。煩悶し、悩みながら少しずつ結論を見つけ、進んでいくさまが良いのだろうか。鈴木先生の悩みが饒舌に語られるのが良いのか。ううん。 > >よくわからん。 > >でも面白いよ。 > > >

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