秋口ぎぐる『ひと夏の経験値』
>やっやっやばい。これはやばい。
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>駅の本屋で見かけて買って、そのまま電車のなかで読もうとしたが、とても電車のなかでは読めそうにないことを悟って帰宅してから思う存分読んだ。そして悶えた。悶えまくった。やばい。この本はやばい。
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> >当時のおれたちはまちがった方向に全力疾走だった。それが楽しかった。タナケン、正則、阪本、そして「おれ」こと友永達也は、男子校でテーブルトークRPGを遊ぶ仲間。ある夏、美少女・奈々子が突如サークルに現れた。まったくの初心者だという彼女にひとめぼれした「おれ」は、別れまでの1か月間、最高のシナリオで彼女をもてなそうと奮闘する。そしておれたちと奈々子の最高の夏が始まる――。 > > >時代は90年代前半。美少女たちにどぎまぎしたりする、この「草食動物」どもの、なんと……なんと、愛らしいことよ。勘弁してくれ! そしてまた、基本的に作者とおれは同世代なんだと思うが、登場するゲームタイトル、作品タイトルの、時代にあっているだけでない的確さにいちいち悶える。ぐえええ。 > >おれも確かに90年代に高校生で、TRPGをやってて、男子校で、しょぼしょぼと仲間内でプレイしたり、大学生や社会人の人が営んでいるようなサークルのコンベンションに参加したりしたものだ。女の子と知合いになることだけはなかったが。 > >そのおれを、つまりそうだな、年齢にして25-29歳くらいの「おたくだった」人たちをまさに狙い撃ちにしたかのような本なのだ、これは。それ以外の一般の人にとってはどうということのない、純情だがアホな男子高校生たちの恋愛未満な青春小説でしかなくて、とくにどうということはない。けれどもおれにとっては、10ページごとに息継ぎをしないと、とうてい読み終えることができない。 >
> >「たしかに一ゾロはファンブルだよ。〈ソード・ワールド〉では大失敗になるよ。でも〈ガープス〉のルールでは大成功だろ? おれたちの人生、いつだれが〈ソード・ワールド〉だって決めたよ!?」 > > >だめだ、悶え死ぬ。 > > >
> >当時のおれたちはまちがった方向に全力疾走だった。それが楽しかった。タナケン、正則、阪本、そして「おれ」こと友永達也は、男子校でテーブルトークRPGを遊ぶ仲間。ある夏、美少女・奈々子が突如サークルに現れた。まったくの初心者だという彼女にひとめぼれした「おれ」は、別れまでの1か月間、最高のシナリオで彼女をもてなそうと奮闘する。そしておれたちと奈々子の最高の夏が始まる――。 > > >時代は90年代前半。美少女たちにどぎまぎしたりする、この「草食動物」どもの、なんと……なんと、愛らしいことよ。勘弁してくれ! そしてまた、基本的に作者とおれは同世代なんだと思うが、登場するゲームタイトル、作品タイトルの、時代にあっているだけでない的確さにいちいち悶える。ぐえええ。 > >おれも確かに90年代に高校生で、TRPGをやってて、男子校で、しょぼしょぼと仲間内でプレイしたり、大学生や社会人の人が営んでいるようなサークルのコンベンションに参加したりしたものだ。女の子と知合いになることだけはなかったが。 > >そのおれを、つまりそうだな、年齢にして25-29歳くらいの「おたくだった」人たちをまさに狙い撃ちにしたかのような本なのだ、これは。それ以外の一般の人にとってはどうということのない、純情だがアホな男子高校生たちの恋愛未満な青春小説でしかなくて、とくにどうということはない。けれどもおれにとっては、10ページごとに息継ぎをしないと、とうてい読み終えることができない。 >
> >「たしかに一ゾロはファンブルだよ。〈ソード・ワールド〉では大失敗になるよ。でも〈ガープス〉のルールでは大成功だろ? おれたちの人生、いつだれが〈ソード・ワールド〉だって決めたよ!?」 > > >だめだ、悶え死ぬ。 > > >