岩明均『七夕の国』
>古本屋でふとワイド版(かなり巨大な判型で上下巻のモノ)が併せて850円で売られていて「おお安い、そういえばこれ、ちゃんとは読んだことないな」と思って購入。とレジに持ってったら950円で若干ガッカリ。印刷の掠れめ!
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>さて。
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>『七夕の国』は連載当時からイマイチ評判が良くなかったように記憶している。『寄生獣』で一発当てちゃった人間の悲しさというか、そんなに酷い作品でもなく、SFまんがとして見ると、カッチリとウェルメイドな作品だし、最初っから最後まで綺麗に筋が通っていて終わっているし、おれは割と好きなんだけれども、やはり『寄生獣』ほどの迫力というか何というかはないという見方が支配的だろうか。
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>あと、絵柄についてはちょっともにょるところがあり、寄生獣を完結させた後とは思えないくらい絵がヘンなことがあったりするのも謎。じゃっかん崩れることのある絵柄は昔からで「妙にヘタな絵だなあ」と思ってたけれど、『寄生獣』の頃はそれなりに妙なテンションにうまく合っていたと思うし、『ヒストリエ』あたりになると意図的に崩したりして調子が出たりするのだけど、『七夕の国』では、なんか意図せずヘンになっちゃっただけ、っぽい絵があるんだよね。
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>まぁそれはそれとしてちゃんと読めてよかったね面白かったし、で済ませても良いんですがしかし、このワイド版の最大の読みどころは下巻巻末のインタビューなのであります。激しくやる気のない岩明、だんだんヤケクソになってくる聴き手(編集者)、実に良い。
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>「これはどういう意図があったんでしょうか?」「覚えてないなあ」「こっちはどういう設定だったんですか?」「△△とかだったと思うけど忘れた」「キャラクターにモデルは」「いません」「○○ってほかの作品の××と似てますが意識されてますか?」「関係ないです」「そうですかーいやーでも云々」
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>とかこんな調子が延々と続く。笑えます。
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