碧野圭『辞めない理由』

This entry was posted by on Monday, 12 June, 2006
>表紙も、オビも、全体的な体裁も、売り方も、何もかもが「シングルマザー小説」になっているあたりに正直引いてたのだが、読んでみたら面白かった。読んでよかった。 > >筋立は単純で、言われなき理由によって突然の降格を言いわたされ、小学校一年生になる娘が学校で問題を起こし……という「働く母親」の主人公が、それでもなんとか頑張る、という話。 > >前半の展開はほとんど実話であるらしく、そのリアリティも含めて非常にイヤ感がただようし、それだけに後半の巻き返しが非常に心地良い。ただまあ、正直なところどう考えても都合が良すぎる展開も多々あって、オビの惹句で「非常にリアルな設定の後に展開する成功に向かっての物語。それが気持ちよくもあり、また一方で少し切なくもなったりも…」という感想を寄せている人がいたが、そんな感じ。 > >ただでも、後半の「巻き返し」のところは要するに「おちこぼれ部隊がひとつの目的のために結束して事にあたる」タイプの物語なのであり、そういう話は基本的に好きなんだな、おれは、たぶん。エンターテイメントに徹していて、読んでいて面白い本でした。 > >おれみたいに装丁に引いてる人も多そうだけど割とオススメです。 > > >

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