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2005/07/26 S-Fマガジン8月号

すごい久しぶりに考課表を送ったので感想を書く。

ケン・マクラウド「人類戦線」

スターリンの死で物語は始まる。現実の歴史とはちょっと違う世界で、アメリカ主義に抵抗する主人公たちを描いた重苦しい作品……に、見えたわけだが。

現実の歴史とどこが違うのか、何が分岐点になっているのか?ということを考えながら読んでいってもわからない掴みどころのなさ、主人公が幼い時に垣間見た新型爆撃機のパイロットの謎なんかに混乱しつつ読み進めていくと、最後の数ページで唐突に仰天のオチに終わる。なにこれ? それでいてテーマは上掲のまま。

冒頭から期待される度合に比べてかなりヘンテコな作品でびっくりした。オススメ。+2

ところで、これは「宇宙戦争テーマなのか?」と疑問を持ちながら読みすすめていくと、そうでもあり、そうでもないようであり……な感じで終わるのだが、他の特集記事を読むと「なるほどこれは『宇宙戦争』特集としてはアリな作品だ」と得心するのだった。

チャールズ・ストロス「コールダー・ウォー」

正直、ネタを割ってしまった方が興味を持てる人が多いだろうし、読めばすぐわかることなので、あっさりとネタを割ることにするが冷戦時の超兵器としてクトゥルフ神話の怪物たちが使われるというスパイもの。作者は未訳の Atrocity Archive でもクトゥルフ+スパイものをやっているので、たぶん気にいってるんだろう。

そういうテーマの作品として良くできているかというと、平凡という以上のところはない。が、スティーヴン・グールドなんかを登場させた細かなくすぐりはいい。

内容それ自体は冷戦なのだが、これが宇宙戦争かといえばなるほど宇宙戦争ではあろうという感じでもある。やや気に入った。+1

田中啓文『罪火大戦ジャン・ゴーレ』

相変わらず食事どきには絶対読んではいけないグロ描写を楽しそうに書いている。イラストレーションで、主人公とおぼしき体がぜんぜん「ズレて」ない気がするのだが、それは仕方ないというべきか……。+1

おまきゅーとか故郷まで100000光年とかは特にふつうという感じ。

津原泰水「午後の幽霊」(後編)については、正直言って前編がどうだったか綺麗さっぱり忘れてしまった。しかも長編の第2話で、終わり方もスッキリしていない。これは連載だから評点しなくていいのかと思っていたが、林さんからのメールによれば免除してよい旨が記載されていなかったので仕方なく点だけつける。というわけで評価放棄の±0

ところで、今号の唐沢俊一連載を読んで、いわゆる「忍者走り」、刀の「忍者握り」(逆手に握るアレ)や手裏剣を投げるという「忍者」っぽいスタイルは『隠密剣士』という昭和30年代後半のテレビドラマが起源と知る。20へぇ。